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集合無意識を大事にする日本人

日本人の特性として「合議制」で意思決定を進めることが多い。たぶん、それがうまくいくという感性を持っているのだろう。合議制をとるということは周りの考えや気持ちに気を配るという日本人の特質の延長にあるものであり、その「気配り」によって日本人は社会を成り立たせてきたといってもいいのではないだろうか。「世間」の目を気にするのも、「気配り」の対象が拡大した結果である。

そういった観点でみると、日本人は「全体の気持ち=全体の気(雰囲気)」を無意識に大事しているのである。力で周りを支配することより、「全体の気」を気にしながらうまくいく方向性を意識して日本人は動いているのである。「全体の気」というものは明確に見えるものでないから、日本人はそれらを感覚で察知している。ユングの言葉を借りて言えば「全体の気」は「集合的無意識」ということになる。ほぼ同義だと考えていいであろう。そうすると、日本人は「集合的無意識」を大事にする民族性であるから、組織の運営を考えるときはこの「集合的無意識」は無視できないものになる。にもかかわらず、いま、組織の「集合的無意識」に意識を向けているリーダーがどのくらいいるであろうか。

以前の組織の長は、1日中机で新聞を読みながら、部下の相談を受けたり、いざというときに出て行ったりといった姿であった。時には元気のない社員に語りかけたり、呑みにつれていったりしていた。これは部門全体に気を配り、観ることによって組織の「集合無意識」を安定させていた行為ともとれる。
それよりも何よりも日本的経営の3種の神器として「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」という社員の生活を安定させ、その全体の無意識を安心させるような仕組みをとっていた。それが日本企業躍進の原動力になったことを否定する人はそんなに多くはないだろう。
そういった感じで、日本のうまくいっていた頃の経営は、会社全体の集合的無意識を安心させていたのである。

顧みて今はどうだろう。終身雇用制・年功序列の崩壊、成果主義人事、正社員から契約社員・派遣社員への切り替えなど、社員の意識を不安定にさせる仕組みが満載である。そのことにより、会社全体の「集合的無意識」が不安定になっていると言える。
かたや昨今注目されている伊那食品やネットトヨタ南国などの企業は、「従業員は大切にする」というのが大きな経営の根本だ。こういった企業は元気がいい。やはり全体の「集合無意識」を安定させることで、社員はやりがいを高め、協力し、生産性を高めていくための心理的基礎がしっかりしていると解釈することもできないだろうか。

まずは日本の企業にとって大切なことは、組織の「集合的無意識」を安心させることからはじまる。「そんなこと言っていたら、このグローバルの時代戦っていけない」という声がすぐに聞こえてきそうであるが、永年培ってきた民族のDNAはそうすぐに変わるものでない。だとしたら、この特性を生かして、日本人なりの経営を考えていくべきだと思う。

# by desutai | 2011-12-23 20:34 | 組織の統治理念 | Trackback | Comments(0) 

風土改革とイノベーション

昨日、もとキヤノン材料技術研究所所長の村井啓一さんとダイアログをやった。

村井さんは上記の研究所長時代にスコラを使って、風土改革を成功させた方だ。

それらの体験をもとに最近本を出された。→「イノベーションを興す創発人材をさがせ」(日本経済新聞出版社)

村井さんの論は、風土改革の目的はイノベーションを興すことだと言っている。

風土改革なくしてイノベーションは起こせないし、イノベーションを興すことを目的としない風土改革は中途半端だ、というようなこともおっしゃってた。

イノベーションを興すには、まず組織内に「イノベーションの卵」をたくさん生みださなければならない。
この段階で、自由に発想し、何を提案してもいいという風土をつくらなければならない。

村井さんが所長時代は、「仕事の時間中、何をしてもいい」と言っていたらしい。それに加え、オフサイトミーティングを行い、何でも言える組織風土を醸成していった。

その中から、思わぬ出会いを生み出す風土をつくる推進役になる創発リーダーが生まれ、このリーダーは内発的に自律的に風土を改革している動きを興す。

その中で今度はイノベーションの卵をうみ、育てる創発人材が現れ、彼らが自分の着想にコミットメントすることで、その「卵」が「事業」へと育っていくのである。

イノベーションの「卵」は「みにくいあひるの子」みたいなもので、常識的にみると飛んでもないものに見えることが多いらしい。だから、管理が強い組織では早々に潰されるのだ。

また、イノベーションは対話からしか生まれないと村井さんは言い切る。
これはイノベーションをおこした経験がないとわからないとも言われる。

異種同士の対話や思わぬ出会いや偶然によってイノベーションは生まれる。だから組織内にこういったことが起きやすい環境にしなくてはならない。

管理する側がコントロールしやすい想定の範囲内では絶対にイノベーションは生まれないそうだ。

イノベーションを起こすのは想定の範囲外でしか生まれないのだ。

だから管理の仕組みやルール、および組織間の壁など個人の発想や行動を規制するものが多ければ多いほど、イノベーションは生まれにくいのだ。

昨日聞いた話のほんの一部しか書けた感がない。もっと知りたい方は本を読んでください。

イノベーションと風土改革は、組織変革の両輪である。

創発(はぐれ)人材をさがせ―イノベーションを興す

村井 啓一 / 日本経済新聞出版社

# by desutai | 2011-09-09 14:37 | 変革 | Trackback | Comments(0) 

頭・心・腹

私たちは多くの話し合いで「腹に落ちる」ことを目指している。

「腹に落ちる」と自然と行動や発想につながっていくからだ。

そのためには左脳ばかりつかって、論理的に話しているだけではどうもできにくい。

私は、話し合いの状況を見るのに、「頭」「心」「腹」という見方で見ている。

多くの企業では「頭だけでの話し合い」が多い。

頭で考えて、論理的に情報を整理して結論を出そうというものだ。

この場合、いい結論が出ても、その後なかなか行動につながらなかったりする。

問題が明らかで、原因分析により、解がわかりやすい時は「頭での話し合い」が有効だったのだと思う。

現在は状況が複雑化し、やってみなければわからないというチャレンジ要素を含んだ結論が求められる。

そういう状況では、「頭の話」だけでの結論では、なかなか事態が動かない。

「心の会話」というのは、「思い」や「感情」も出し合う会話である。

効率を求められる中では、「感情」なんかは扱いにくいやっかいな代物であるため、できるだけ排除される。

しかしチャレンジ要素の入った結論しか出せないいま、その結論に対する人のコミットメント、つまり思いや感情はとても大切になってくるのである。

だから話し合いの中に、十分に「心」が出し合える土壌がないといい結論には結びつかない。

とは言っても感情だけでは、結論に達しにくいので、論理と感情を行き来するわけである。

論理と感情がうまく融合したときに「腹に落ちる」のではないかと思う。

融合といっても、ハラ落ちする結論は、論理の飛躍があることがしばしばだという側面もある。

なので、結論が必ずしも論理的に説明できるものでないこともある。

「頭で考える」のではなく、「腹で考える」のだ、という主張をしている方もいる。

これをどう理解するかは難しいところであるが、一つの仮説として、人間はいまここでの答えを無意識に知っていて、それを対話や思索によって、探っているのではないかとも思える。

「うーん、ちょっと違うなあ」「ピンとこないなあ」という話し合いの途中に出てくる言葉は、出てきた意見と何かを照合している言葉だ。

とにかく、話し合いでは、いま頭のレベルで話しているのか、心のレベルで話しているのか、腹のレベルの結論に至っているのかは一つの話し合いの観る際の指標となる。

# by desutai | 2011-08-24 08:35 | オフサイトミーティング | Trackback | Comments(0) 

新時代の情報の流し方

メールが情報伝達の主流になった今の時代、会社の情報の流し方はどうすべきだろうか。

昔はラインを通じて、上から下に情報は流されていた。

上司は部下よりもよりたくさんの情報を持っていることによって、部下より優位な立場でいれた。

部下は情報ソースのほとんどが上司なので、上司の指示や言葉に対しては感度が立っていたと思う。

しかし、今は会社の情報もメールやイントラネットを通じて入手できるところが多くなったので、上司が必ずしも情報を持たなくなった。

それどころか上司自らがプライヤーとなり、忙しくなったことによって、現場の情報把握ができにくくなった。

またメール伝達の普及や会社の全体観がつかみにくくなったことにより、上位方針の意味もとらえにくくなっている。

その上位方針も現場の状況を踏まえてつくられていないこともあり、内容自体がお粗末なため、現場のフィルターで無視されているケースも増えたようだ。

一方で、メールやイントラネットでは、情報の本当の意味が伝わりにくい。

かなりうまい文章がかけるのならばいいが、多くの場合はそうではない。

これからは伝える側は、ストーリーで伝える力や意味を伝えるための対話力、受け取る側はわからないことをきちんと「問い返せる」姿勢、できるだけ全体観をとらえ、情報の本質をとらえる能力などを身につけていかないといけないのであろう。

# by desutai | 2011-08-09 22:32 | 組織の統治理念 | Trackback | Comments(0) 

3つのグランドルール③・・・パスの権利

3つめのルールは、最初の2つとはちょっと趣がかわったもの。

「みなさんには自由に言いたいことを言っていい権利がありますが、
逆に人から訊かれたときなどに、話したくなかったら話さなくてもい
『パスの権利』があります。」

というものです。

これは参加者に意外と安心感を与えるようです。

実際はあまりパスを使う人はいないのですが、一度「パス」ばかり
する女性がいました。

何にしても「パス」していたのですが、最後の方になると自ら素晴ら
しい本音を発言をするようになりました。

「パス」というのは全体の雰囲気の中で、なかなかできないもので、
それをやり続けたというのは自分の気持ちを大切にする意志が強い
表れでもあります。

ただ単に黙っているより、「パス」と言ってもらった方が明快に意志を
表していることになるので、その後意志のこもった意見を言うことに
つながってきます。

「当然ご存知だと思いますが、パスは3回までです。」みたいな冗談も
交えながら、使ってみてください。

# by desutai | 2011-08-08 13:01 | オフサイトミーティング | Trackback | Comments(0) 

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